Voice Blog 「たった一日だけの転校生」

こんにちわ。

ボクは毎日のように夢を見ます。
それはまるで自分が実際にそこにいるかのような夢。
朝起きてからもなぜかその風景や会話を覚えていることが多いのです。
今日はそんな夢の中でのお話です。

ボクは、とある高校の校舎の玄関に立っていました。
並んでいる靴箱はちょっと懐かしい木製のもの。
ここは大阪の高校のようで、ボクはどうやら東京から来た転校生。
この学校のことを何も分からないまま、どうしようか…とその場に立っていました。
そこへ一人の女子生徒がボクに声を掛けてくれました。
この高校は今、体育祭の準備の真っ最中らしく、ボクは教室に行く前に、
まずは体操着に着替えるようにと、その生徒に更衣室へ案内されたのです。

昔ながらの鉄の窓枠に、ワックスの匂いのするような木の床の更衣室にはすでに人気はなし。
みんなもう体育祭の準備や練習を始めているようでした。
更衣室のロッカーはちょうど胸の高さくらいまである、金属製のグレイのロッカー。
ボクは東京から持ってきた前の学校の体操着に着替え始めます。

やがてボクは体育館へ。
そこでは卓球の練習が行われていて、小さい頃から卓球が得意だったボクは
気持ちよくスマッシュを決めていました。
体育館は広く、ボクは入り口から向かって右奥の卓球台についていました。
そのままかなりの時間体育館にいたように思います。

練習を終え、暫くののち学生服に着替えるために再び更衣室へ。
汗を拭きながら着替え、ロッカーに入れてあった荷物を学生鞄に詰め始めます。
すると、たまたまそこで一緒になったふたりの生徒の内のひとりに
「どこからきたの?」声を掛けられました。
ボクはその時彼に「自分は東京から来た」ということ、
「この学校には今日一日しか居られないこと」を告げたのです。
そう、夢の中のボクは「たった一日だけの転校生」だったのです…。
「たった一日だけの転校生」なんてありえないとは、思うのですが、
夢の中のボクはそれをちゃんと事実として受け止めていたようです。

…時は過ぎ、夕暮れとなったとき、ボクは校舎の玄関に向かう廊下に立っていました。
気がつくと隣に女子生徒がひとり。
彼女は「あ、さっきの!!」と声を掛けてくれました。
彼女はボクが玄関で迷っていたときに案内してくれた生徒でした。
ボクは昼間の突然の来訪者を快く案内してくれたことにお礼を言った後、
もう東京に帰らなきゃいけないんだ、大阪の人間じゃないんだ…と話しました。
そして、荷物が詰まった学生鞄とサブバッグを持って、校舎の玄関の方へ歩き始めました。

校舎を出て行くときには辺りはもう暗くなり始めていて、
ボクを待っているバスのヘッドライトには明かりが灯っていました。
ボクはその明かりを頼りにバスに乗る前にカバンの中の荷物をもう一回詰め直し始めました。
するとバスは突然発車のクラクションを鳴らし、ボクは慌てて乗り込みます。
とりあえず運転席の横に立ったボクは、
鞄の蓋が開いたままなになっているのに気づき一度かがみ込みました。
そしてしっかりと蓋を閉め、ゆっくりと立ち上がると、
バスの大きなフロントガラス越しに、たくさんの人の姿が見えたのです。

なんと、ヘッドライトに照らし出されていたのは、
わざわざボクを見送りに来てくれた「たった一日だけのクラスメイトや担任の先生」でした。
ボクは「たった一日だけの転校生のために、みんなありがとう」と心の中でつぶやき、
心の中で手を振りました。
やがて、バスはゆっくりとハンドルを左に切りながら進み始め、
見送りに来てくれたみんなの影が遠く消えて行きました…。

…ボクはここで夢から覚めました。起きてからもなんだか余韻を引きずってしまっていて、
しばらくは夢の中で起こったことに想いを巡らせていました…。
自分でもどうしてかは分からないのですがこんな、夢の見方がなぜか結構多いのです。

…ということで、今日はボクが「たった一日だけの転校生」となった夢の中でのお話でした。

ところで、今日でこの声日記も240回を迎えました。最近はなかなか更新の進まない日々ですが、
これからもちょっとずつでいいから前に進もうと思っています。

では、また…。

 

 

 

  Sabervarehi